2013年 06月 20日
翼を広げて |
再生不良性貧血・・・(さいせいふりょうせいひんけつ、aplastic anemia; AA)
骨髄機能低下による貧血の1つ
骨髄中の造血幹細胞が減少することによって骨髄の造血能力が低下し、末梢血中の全ての系統の血球が減少(汎血球減少と言う)する。 造血幹細胞の減少した骨髄は、脂肪細胞に置き換えられる。 この状態の骨髄を脂肪髄と言う。
再生不良性貧血の原因は、先天性と後天性に分けて考えられる。
遺伝子異常による先天性再生不良性貧血を、ファンコニー貧血(Fanconi anemia)と言う。 先天性再生不良性貧血は常染色体劣性遺伝である。
Wikipedia<再生不良性貧血> 抜粋
ムスコが発病した2005年の夏、
唯一効果が期待できるとして受けた治療=ATG(免疫抑制療法)。
望みを懸けた半月後、
CT画像に映し出された彼の背骨は、まだらに白く、
それは取りも直さず造血幹細胞が脂肪細胞に置き換えられたことを示すものでした。
ほんの幼い頃に病気が判っても、症状や重症度によっては、骨髄移植へ至るまで何年も何年も病気と付き合い向き合っていかねばならない子どももいます。
A君は 先天性の再生不良性貧血でした。
何年も何年も病気と闘ってきました。
闘ってきたのは病気とだけではありませんでした。
どんなにいやでもできることは限られます。
「病気のせいにしたくない」
その思いで、人一倍勉強に打ち込みました。
有名公立大学に進学したその年、彼は骨髄移植を受けました。
「かもめのいえ」に退院し順調に回復するかに見えた矢先、今度は感染症との闘い。
再入院、ウイルスを示す数値は天文学的に上がり、生死の境をさまよいました。
そんな彼を心身ともに支え、共に闘ってきたのは母さんです。
A君の痛み、苦しみ、悲しみ、すべてわが身のこととして同じように感じてきました。
長きに渡って病気への無理解・偏見とも闘ってきました。
なにより、彼の持って生まれてきたものすべてを受け容れ、愛し慈しんできました。
彼の身体だけでなく、彼の心をも護り支えてきました。
彼こそが、母さんの「生きがい」だったに違いありません。
そして移植から4年、
今、彼は飛び立つ時を迎えようとしています。
病気のせいで、諦めなくてはならないことや出来ないことが沢山あったでしょう。
病気のせいで休学せざるを得ず、そのためにまたがむしゃらに勉強しましたね。
でもね、考えてみてください。
病気のおかげで、またがんばれたんです。
病気のおかげで君は強く、諦めない人になった。
病気が君の進むべき道を指し示したのです。
初めてT大病院の病棟に君を見舞った帰り道、
「・・・・・すげえかっこいい!」
ムスコがつぶやいた言葉です。
ほんの短い時間だったけど、君のその心遣い、優しさを即座に感じ取ったのです。
そんな君の優しさは、母さんがくれたもの。
そしてそれは、紛れもなく病気が培ったものでしょう。
人生に無駄なことなど一つもありません。
苦しみ悲しみが、君の諦めない強さや人を思いやる優しさを育てたのです。
病気は君の人生を本当に豊かにしましたね。
でもね、
母さんは今も君の手を離せずにいます。
君のことが心配でならない。
それはきっと君も知っているね。
ほんとはね、母さんもわかっているんだよ、
君が母さんよりもず~っと大人になってしまったってこと。
君はだれよりも強い。
君はだれよりも優しい。
そして君はだれよりも大人になった。
君の人生は君だけのものだから。
自分の翼でどこへでも飛んで行きなさい。
疲れた羽を休める、帰るべき場所はちゃんとあるから。
母さん、どうぞ飛び立つ我が子を誇りに思ってね。
泣いてもいい、喜んでその手を離してください。
寂しさは、一回り大きくなって帰ってくる息子に会う喜びに変えて。
心配や気苦労は笑い飛ばして。
病気とだって、きっと上手く折り合いつけてやっていく。
どんな失敗も回り道も、彼はプラスに変えていくでしょう。
これからも母さんの「生きがい」が変わることはありません。
君が決して夢を諦めないこと。
君が活き活きと生きること。
君の瞳が希望に燃えていること。
たとえ遠くに離れていても、心はいつも共にある。
君は、これから骨髄移植を受けるファンコニー貧血の子どもたちのパイオニアになる。
いつも君の翼に良い風が吹きますように。
祈ります。
A君のこと
by naunyan
| 2013-06-20 03:05
| みちしるべ
|
Comments(4)
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ogu
at 2013-06-21 22:55
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わたしも応援します
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naunyan at 2013-06-22 21:21
oguさま、
アナタ方親子のことも応援してるよ~(^O^)/
アナタ方親子のことも応援してるよ~(^O^)/
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Ryoumama
at 2013-07-01 14:26
x
なんだかふわっと気持ちが前に進みました。
今年で10歳、学校では2分の1成人式があります。子供に時々やってくる節目のイベントではだいたい夢を語らされるわけですが毎日をささやかに生きている息子には大した夢もなく、無理やり口から出てきた夢はやったこともない野球選手(^^ゞ)
大事なのは「今でしょ」って、あまり先の事を考えないようにしていましたが、ちょっと先の未来が楽しみになってきました。
今年で10歳、学校では2分の1成人式があります。子供に時々やってくる節目のイベントではだいたい夢を語らされるわけですが毎日をささやかに生きている息子には大した夢もなく、無理やり口から出てきた夢はやったこともない野球選手(^^ゞ)
大事なのは「今でしょ」って、あまり先の事を考えないようにしていましたが、ちょっと先の未来が楽しみになってきました。
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naunyan at 2013-07-01 22:24
Ryou mamaさま、
毎日必死で、あんなにも苦しみ悩んできた道が、振り返ればもう5年です。
「もう5年」と考えるのか、「まだ5年」と考えるのか、
「やっと10歳」と考えるのか、「もう10歳」と考えるのか・・・
物は言いよう、物は考えようで未来も変わってくる。
真っ白な未来にどんな色で何を描くのか・・・私もRyo君の未来を楽しみにしているわ~~~(#^.^#)b
毎日必死で、あんなにも苦しみ悩んできた道が、振り返ればもう5年です。
「もう5年」と考えるのか、「まだ5年」と考えるのか、
「やっと10歳」と考えるのか、「もう10歳」と考えるのか・・・
物は言いよう、物は考えようで未来も変わってくる。
真っ白な未来にどんな色で何を描くのか・・・私もRyo君の未来を楽しみにしているわ~~~(#^.^#)b