2013年 02月 27日
忘れえぬ家族、忘れえぬ命 -10- |
Tatchan (1)
「うまれる 命と家族、絆の物語。」というドキュメンタリー映画を観ました。
3歳くらいの子どもの三割は、「胎内記憶」 「おかあさんのお腹の中にいた時のこと」を憶えているのだそうです。
また、胎内の記憶だけではなく、胎内に入る前の記憶 「中間生記憶」がある子どももいるそうです。
この映画の冒頭、
「お腹の中にいた時のこと憶えてる?」
「うん、おぼえてるよ」
「どうしてウチにきたの?」
「う~ん、・・・やさしそうだったから!」
こんな 母と子のやりとりがありました。
そう、子どもは「自分で親を選んで生まれてきた」というのです。
* * * * * * * * * * * * * *
その時、Tatchan は5年生でした。
病気だってことも、その病気が何なのかってことも、なかなか判らなくて、
やっと病名が分かった時には、
「本人の好きなことをさせてあげなさい」
医師は 家族にそう告げたのです。
両親は血眼になって探しました。
一緒に闘ってくれる医師、受け入れてくれる病院を 。
そして、やっとの思いでT大病院・Yabe先生に辿り着いたのです。
その病気はDNA異常による先天性代謝異常症の一つで、脳細胞中の酵素の欠損から蓄積される物質が髄鞘を破壊し脳障害を引き起こします。 症状は物質が蓄積される部位によって異なり、発症を認めるのは非常に困難です。
骨髄移植によって、患部の組織が正常な機能を回復し、酵素を造り出すようになることが期待できるとされていますが、少しでも早い時期、神経症状のでないうちに行うことが最重要となります。
しかしながら早期発見が難しいため、 移植が成功すれば完治する白血病などと違い、代謝異常症の場合には延命や、症状の緩和を目的として行われるケースも多いのです。
ロイコジストロフィー・ネットワーク =先天性代謝異常症と骨髄移植; 引用
ムスコが無菌病棟に入った2008年4月、
Tatchanはコトバを失い、自力で歩くことも困難になっていました。
骨髄移植の後、
ドナータイプの白血球が立ち上がってくるよりも早く、病気が進行してしまったのです。
・・・・・ワタシには、忘れることのできない光景があります。
「かもめのいえ」では、毎月第二・第四金曜日の夜、ボランティアルームで
スタッフや患者家族が集まる「おしゃべりナイト」という交流会(お酒もある^^)があります。
その夜は、退院してきたTatchanも参加して にぎやかでした。
そこへ仕事を終えたTatchanパパが、3時間かけてTatchanの元に駆け付けました。
「たつ(Tatchanのこと)、来たぞ!!」
パパは頬をTatchanの額にぎゅうっと押し当てて、Tatchanの頭をぐりぐり撫でました。
Tatchanの 安心したように柔らかくなった表情と、
パパの この上なく愛しそうにTatchanに向けた眼差しと
Tatchanの傍らで 微笑んでるママの瞳が・・・
ショックでした。 ・・・なんでか分からないけど・・・
そこだけが光に照らされてるみたいに ワタシには見えたのです。
後で分かったことです。
あの頃、
Tatchanは すでに目もよく見えてなくって、匂いでパパを確かめていたのだと。
Tatchanは 「全身全霊で生きていた」のです。
それが見る者に ショックを覚えるほどの感動を与えたのだと思います。
今も その光景は、
時を止めて切り抜いたように、ワタシの心のギャラリーに大切に掛けられています。
Tatchan (2)
「うまれる
3歳くらいの子どもの三割は、「胎内記憶」
また、胎内の記憶だけではなく、胎内に入る前の記憶
この映画の冒頭、
「お腹の中にいた時のこと憶えてる?」
「うん、おぼえてるよ」
「どうしてウチにきたの?」
「う~ん、・・・やさしそうだったから!」
こんな 母と子のやりとりがありました。
そう、子どもは「自分で親を選んで生まれてきた」というのです。
* * * * * * * * * * * * * *
その時、Tatchan は5年生でした。
病気だってことも、その病気が何なのかってことも、なかなか判らなくて、
やっと病名が分かった時には、
「本人の好きなことをさせてあげなさい」
医師は 家族にそう告げたのです。
両親は血眼になって探しました。
一緒に闘ってくれる医師、受け入れてくれる病院を
そして、やっとの思いでT大病院・Yabe先生に辿り着いたのです。
その病気はDNA異常による先天性代謝異常症の一つで、脳細胞中の酵素の欠損から蓄積される物質が髄鞘を破壊し脳障害を引き起こします。 症状は物質が蓄積される部位によって異なり、発症を認めるのは非常に困難です。
骨髄移植によって、患部の組織が正常な機能を回復し、酵素を造り出すようになることが期待できるとされていますが、少しでも早い時期、神経症状のでないうちに行うことが最重要となります。
しかしながら早期発見が難しいため、 移植が成功すれば完治する白血病などと違い、代謝異常症の場合には延命や、症状の緩和を目的として行われるケースも多いのです。
ロイコジストロフィー・ネットワーク =先天性代謝異常症と骨髄移植; 引用
ムスコが無菌病棟に入った2008年4月、
Tatchanはコトバを失い、自力で歩くことも困難になっていました。
骨髄移植の後、
ドナータイプの白血球が立ち上がってくるよりも早く、病気が進行してしまったのです。
・・・・・ワタシには、忘れることのできない光景があります。
「かもめのいえ」では、毎月第二・第四金曜日の夜、ボランティアルームで
スタッフや患者家族が集まる「おしゃべりナイト」という交流会(お酒もある^^)があります。
その夜は、退院してきたTatchanも参加して にぎやかでした。
そこへ仕事を終えたTatchanパパが、3時間かけてTatchanの元に駆け付けました。
「たつ(Tatchanのこと)、来たぞ!!」
パパは頬をTatchanの額にぎゅうっと押し当てて、Tatchanの頭をぐりぐり撫でました。
Tatchanの 安心したように柔らかくなった表情と、
パパの この上なく愛しそうにTatchanに向けた眼差しと
Tatchanの傍らで 微笑んでるママの瞳が・・・
ショックでした。 ・・・なんでか分からないけど・・・
そこだけが光に照らされてるみたいに ワタシには見えたのです。
後で分かったことです。
あの頃、
Tatchanは すでに目もよく見えてなくって、匂いでパパを確かめていたのだと。
Tatchanは 「全身全霊で生きていた」のです。
それが見る者に ショックを覚えるほどの感動を与えたのだと思います。
今も
時を止めて切り抜いたように、ワタシの心のギャラリーに大切に掛けられています。
Tatchan (2)
by naunyan
| 2013-02-27 23:46
| かもめのいえ
|
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